よむねるたべる

三度の飯と本が好き

クロワッサンのおいしいとこからできてるクロワッサン

 気がついたらもう8月。ほんのちょっと前までしもやけに苦しんでいたような気がするのに、窓の外ではセミがやかましい。暑い暑い、夏。もう真夏。
 私のいちばん嫌いな季節は夏。体温が高いから少し動くだけで汗だくになるわ、暑さでぼうっとしていつも以上に頭が働かないわ、食べ物はすぐに腐るわ…。すぐに思いつくのは悪いことばかり。
 でも嬉しいことにというべきか、困ったことにというべきか、夏が来るたびげんなりしていても、私の中には「夏バテ」という概念がないみたいだ。食欲がなくなるというアレである。「夏バテでちょっと痩せちゃってさ~」のアレである。
 生まれてこのかた、夏バテなんてしたことがない。というか何なら、食欲がなくなったことなんて片手で数えられるくらいしかない(多分)。炎天下だろうと氷点下だろうと変わらない食欲。年中通常営業である。まさに食いしん坊の鑑。

 そんなわけで、今回はクロワッサンの話をする。

 先日、7月最終週あたりの死ぬほどの忙しさをなんとか越えたので、ちょっと東京をぶらつくことにした。とはいっても本来の目的は、東急シアターオーブに「ウエスト・サイド・ストーリー」を観にいくこと。今までちゃんと観たことがないから、いつかは観たいなーと思ってたところに、バーンスタイン生誕100年記念ワールドツアー来日公演のお知らせ!これは行くしかないじゃないか、ということでチケットを買い、ずっと楽しみにしてきたのだ。
 でもまあせっかく久々にのんびりできるし、厄介事はやっつけたし、じゃあついでに行きたかったところにでも行ってみるかーということで。
 まあつまり、食べたかったものを食べてみるかーということで。

 それで今回足を運んだのが、都立大学駅から歩いて10分くらいのところにあるパン屋さん・トシオークーデュパン(Toshi Au Coeur du Pain)
 お店は対面販売形式で、イートインスペースとしてカウンターの席が2席あった。パンの種類はハード系が中心。前情報によるとバゲットがすごくおいしいらしい。でも今回は夜まで出歩く予定があるから身軽でいたい、ということで泣く泣くあきらめ…。それでも焼きたてのものばかり並んでいたので、いろいろと目移りしてしまった。あれもこれも食べたくなる。パンの匂いは人を優柔不断にさせる。

 そして悩んだ結果選んだのがクロワッサン。
 これがもう、とんでもなくおいしかった!

 お値段は180円ほど(記憶が定かじゃない)で少し小ぶりなこのクロワッサン、一口食べてびっくり。サクサクッとした表面をかじった瞬間突き抜けてくるバターの香り、中のしっとり感。半端じゃない。間違いなく自分史上最高のクロワッサンだと確信し、思わず追加で4つ買ってしまった。
 それにしても、いちばんオドロキだったのは外側の皮。ふつうクロワッサンって、食べてると外側がボロボロと崩れてくるはずだ。私が今まで食べてきたのはぜんぶそうだった。もちろんそれだっておいしい、パリパリ感がとてもおいしい、だけど!
 このクロワッサンは、クロワッサンのやわらかしっとりな内側をサクサクに焼いたようなといえばいいのか、クロワッサンの皮をむいてあるようなといえばいいのか、何といえばいいのか…お分かりだろうかこの感じ、とにかく「おいしいクロワッサンのおいしい部分だけ食べてる感じ!」なのだ!

 この朝ごはんの後はソラマチで白いパフェ*1 を食べ、ハンバーグを食べ、ミュージカルへ行き…という風に一日を過ごしたのだが、正直クロワッサンの衝撃が大きすぎて他のイベントの印象が薄くなってしまった。
 どれもおいしかったしミュージカルは素晴らしかったよ。でもその日のことを思いかえして思い浮かぶのはクロワッサンのことばかり…ああ、横に並んでたパン・オ・ショコラもおいしいだろうなあ。ハード系のパンも食べてみたいし、サンドイッチも気になる。あとクイニーアマンみたいなのもおいしそうだったなあ…。

 

 

*1:ミルクプリン、ソフトクリーム、生クリームだけでできたパフェ。乳製品以外に余分なものは一切なし、私にとってはまさにparfait。ちなみに、肝心のクロワッサンの写真は興奮のあまり撮りわすれて一枚もない。

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