よむねるたべる

三度の飯と本が好き

止まらない食への好奇心 inドイツ

 ずっとずっと前から、「ドイツに行ったら絶対に食べたい!」と思っていたものがあった。原宏一『ヴルスト!ヴルスト!ヴルスト!』の中に登場する食べもの…メットヴルスト (Mettwurst)である。

ヴルスト! ヴルスト! ヴルスト!

ヴルスト! ヴルスト! ヴルスト!

 

  物語は、高卒認定試験に挑む青年が、ひょんなことから、同じアパートに住むオヤジに巻き込まれ、ヴルスト作りに関わっていくという内容 (こうして要約するとわけわかんないな) 。青年とオヤジが、本場のヴルストを食べるためドイツに渡った場面で、このメットヴルストが登場する。ドイツ人のおばちゃんに勧められ、半信半疑で食べたのに、二人はそのあまりの美味しさにハマってしまう――その描写が印象的すぎた。私は「ドイツに行ったら絶対に食べるんだ」という決意を固めた。
 作中に登場する色々なヴルストに興味を惹かれすぎて、あまりストーリーの内容は覚えていない。これだから食いしん坊は!

 時は流れ…私は今ドイツにいるので、念願かなってメットヴルストを食べられるわけだ。というわけで早速買った。
 ちなみにメットヴルストというのは、「生で食べられるように処理された豚挽き肉」のこと。生の豚肉、ということで敬遠する人も多いようだ。それでもハマる人はとことんハマってしまう、そんな食材なのである。らしい。

 ドイツでは、メットヴルストはそのへんのスーパーにも売っている。私はREWEで購入。真空パックに入っていて、お手軽に買えるのが良い!もちろん、開封後は新鮮なうちにさっさと食べてしまうのが吉。賞味期限も短め。いくら特別な処理をしているとはいえ、なんといっても生の豚肉なので、鮮度と品質にはくれぐれもお気をつけて。お腹壊さないように!

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 食べ方は簡単。カリッと焼いたパンの上にメットヴルストを塗り、あったら黒胡椒をかけて、そのまま食べる。パンは、朝一にベーカリーで焼き立てのを買ってくるのが最高なのだという。残念ながら寝坊したので、私は家にあった全粒粉の食パンを使った。しかも、うっかりしていて黒胡椒を買い忘れた。あーあ!
 でもこれ、ほんとうに心の底からむちゃくちゃおいしかった。食感的には、肉版のネギトロ。肉の甘みと、色々加えられている香辛料のハーモニー…パンの熱でちょっと溶けかかった肉の脂が、もうほんとたまらないんですわ。
 今回は無理だったけど、焼き立てのパンで食べたらもっともっとおいしいだろうなあ!バゲットとか、ライ麦パンとか、ね。あとは、炊き立てのごはんに乗っけて、ネギトロ丼みたいにしたら…ああ想像するだけでお腹が空いてくる。

 それにしても、この調子でいくと間違いなく帰国までに太ると思う…。ドイツに来る前、友人や知り合いが「ドイツはビールとヴルスト以外に美味しいものないから、太らないと思うよ!」と言っていたので完全に油断していたのだけど。
 いろいろあるブロートやブロートヒェン、プレッツェルやベルリーナ―やシュネーバル、大きいけど甘すぎないクーヘンやトルテ、シュニッツェル、ジャンク系でいけばカリーヴルストやケバブ、あとはもちろんビールとヴルスト。あと、そのへんのスーパーに売ってるチョコレートのレベルが高い。むちゃくちゃたくさんおいしいものあるじゃん!
 誰だよ私に嘘教えた奴。