フランスといえばなものたち
せっかくフランスに来たのだから、通りにあったベーカリーでパンを買ってみた。いろいろおいしそうで目移りしてしまったけど、選んだのはやっぱり、シンプルかつフランスの代名詞ともいえる例のやつら。
クロワッサン
しっとり系で、頬張るとバターの強いけれどやさしい香りがむわんと広がって、さすがフランス!でも正直な感想としては、日本のクロワッサンのレベルもむちゃくちゃ高い。前、フランスに長年住んでいる知り合いの方が、「日本のクロワッサンのレベルは、フランスに追いついた。でも…」と言っていたのを思い出した。
その人が「でも…」の後に続けたのは、「でも、バゲットについては遠く及ばない」。ということで、もちろんバゲットも一本購入。 (ストラスブールの風景を背景にバゲット、素敵でしょ)
受け取って、触った瞬間からもう何かちがうのがわかる。外側はパリパリで硬いはずなのに、指でそっと押してみるとやわらかくへこみ、またすぐに元の形にもどる。もっちもっち!それはこの通り、断面から見ても明らか。
焼き立てのバゲットにバターをつけて食べれば、その日あった嫌なことなんてどうでもよくなる――って、いろんなフランス在住者のエッセイの中で何度も読んできたけど、それは決して大げさな話じゃないんだな。