よむねるたべる

三度の飯と本が好き

泊まれる本屋に行ってきた

 先日、友人に会う約束があって東京に行ってきた。それでたまたま、約束の日の前日も一日中空いていたので、せっかくだからということで…ずっと気になっていた、 BOOK AND BED TOKYO に泊まってみることにした。

bookandbedtokyo.com 各メディアで何度か取り上げられ、SNSでも話題になっているようなので、ご存知の方も多いかもしれない。ホテルは2フロア、どちらのフロアにも天井まで届く本棚がある。そしてその本棚の中に人1人がようやく入れるくらいの小さな部屋があって、各宿泊者に割り当てられる。

 もう最高に楽しかった!たくさんの本に囲まれれば反射的に嬉しくなってしまうのは本好きの性だし、私はせまいところが好きなので、本棚の中に埋め込まれた空間に入るだけでもわくわくした。そんなわけで私は来てよかったし、また行きたいけど、人によって向き不向きがあると思う。

 共有スペースやシャワー (※ドライヤーは24 : 00~翌7:30まで撤去) は24時間使えるし、ホテルへの出入りもいつでも可能なので、常に誰かしらが動いている音がする。それに各部屋の壁は薄く、出入口はカーテンで隠されているのみなので、当然近くの部屋の人がごそごそしたり、壁にぶつかったり、いびきがすごかったり、でかい独り言 (!) をいっていたりすると、ぜんぶ丸聞こえである。
 あとは話し声。私は勝手に、1人で来る宿泊者ばかりだろうな、と思っていたのだが、予想に反してカップルや友人同士で来ている人たちの方が多かった。そういう人たちが部屋でおしゃべりをしていると、さっきも書いたような壁の薄さのせいで色々と聞こえてくる。

 まあ結局こういうのは、気になる人もいるし気にならない人もいる、ということだと思う。あとは運。おしゃべりといっても色々ある…私が宿泊をした日は、時折ひそひそとした話し声と控えめな笑い声が聞こえてくる程度だった。トイレやシャワーのドアを乱暴に閉める人もいなかった。
 私は大声や大きな音を出されなければ集中できるタイプだから平気だったけど、それだって気になる人は気になるかもしれない。一応受付で耳栓はもらえるけど気休め程度なので、話し声に神経質な人だとか、静かな環境で1人にならないと読書ができない、という人にはオススメできない。 
 それと、本棚にある本は、小説や漫画や雑誌や新書など色々なものがばらばらに置かれている。だから、明確に「読みたいジャンル」があって、それ以外はあまり読みたくないという人にとっては魅力的ではないかも。何でも読むし読みたいという人には天国だ。だって背表紙を眺めているだけでも楽しい。

 色々と書いてはきたけど、やっぱり、本好きな人は一度行ってみて、自分の目で確かめるのがいちばん良いかと!宿泊だけではなくデイタイムの利用も1時間からできるので、まずはお試しで。

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 私は普段は最低でも6時間は寝ないと頭が働かないのだけど、この日は3時間しか寝なかった、というか、寝られなかった。押し入れみたいなせっまい空間でゴロゴロと本を読んでいるのが楽しすぎたからだ。まさに至福のひと時!
 チェックインは16時だったので、はじめに写真にある漫画類 (『谷崎万華鏡』、谷崎潤一郎好きにはオススメ。『山と食欲と私』は3巻まであった) を読んでから夜ごはんを食べに出かけ、帰ってきてから立ち読みをし、村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』を読み終わってあまりに素晴らしかったのでぼーっとしてしまいようやく寝た。
 …こうして思い出して書いているだけでも、その時の楽しい気持ちが蘇ってくる。また近いうちに東京行くから、その時にでも行くかなあ。